音楽で音を楽しむ
- 2022/09/15 21:13
- カテゴリー:音楽芸術
ベンジャミン・ザンダー氏のマスタークラスです。
ギター弾きにとってはバッハの前奏曲(BWV998)やシューベルトのアルペジオーネ・ソナタのマスタークラスがよく知られてますね。
今回紹介するのはウィーン古典派を代表する巨匠、ハイドンです。
さよなら交響曲、驚愕交響曲の逸話で知られるように、「ハイドンお父さん」と呼ばれ親しまれた人柄だったそうです。
ハイドンは、個性的なモーツアルトや、究極美をロマンチックに追求したベートーベンが出てくる前に個人様式を確立してます。57才のときにフランス革命でしたからバロック様式からの脱却、そして古典派の確率という生涯になりました。
https://www.youtube.com/watch?v=wfUiep-H3Oc
ハイドンは音楽史の流れの中では、100曲以上もの交響曲を手掛ける間にソナタ形式の形式美を不動のものとした功績があります。
宮廷音楽家としてカツラを被って演奏していたことでもわかるように、若い頃のハイドンはバロック色が強く、チェンバロを弾いてオーケストラを率いていたほどです。
後にはモーツアルトやベートーベン初期の頃にも弾いたアントン・ワルター(1752~1826)のハンマークラヴィアを弾くようになり、このハイドンのピアノはウィーン郊外のハイドン博物館に保存されており、演奏会や録音録画で使用されることもあります。
このハンマークラヴィアは、チェンバロと現代ピアノの中間に位置すると考えられる鍵盤楽器で、チェンバロのように爪弾いて発音するのではなく、ハンマーで弦を叩くという現代ピアノによく似たアクション構造の打弦楽器です。
小さく軽いハンマーを跳ね上げ弦を叩くアクション構造から生まれる音は、軽やかで歯切れの良いチェンバロやクラヴィコードに近い音色です。
共鳴箱が華奢で、チェンバロやリュートと同じように音の持続性が無く響きの減衰が早いです。これにより多声音楽でも混沌とせず各声部が薫り高く漂います。
因みにイングリッシュメカニックの現代ピアノはロマン派の産物ですね。