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2022年08月の記事は以下のとおりです。

和音を掴んだままのポジション移動

この練習曲は、ビラロボスの前奏曲4番を弾くための足がかりです。

https://www.youtube.com/watch?v=Nh0Z0DMVVvg

曲の3分の2くらいは、「pima」「pimami」2種類のアルペジオです。pはアポヤンドでimaを弾くときと右手の角度が変わらないように弾けると、難しい曲を弾くときに助かるかも知れません。

指先まで左手の形をしっかりと固定しますが、弦を押さえ込むとポジション移動ができませんから、指板上に指先を置いてゆくという動きになるのだと思います。

ビブラートは、特に4の指で押弦している2弦をmの指で鳴らすときに聞き耳を立てると良いかも知れません。

終わりの部分は良い音階練習になると思います。この音階は速度を上げたほうが曲を終わらせるのが楽ですが、テンポは遅くても大丈夫です。

楽しんで弾いていただければ嬉しいです。

アルペジオと右手親指の練習

初心者の方も楽しむことができる練習曲です。YouTubeにまともな動画が見当たらなかったので自分で弾きました。

ギター練習は、音階練習、分散和音、スラーの練習、セーハの練習が基本なのではないかと思います。この練習曲はアルペジオ(分散和音)と右手親指の訓練が目的です。

Le papillon, Op.50 - No.13 (Mauro Giuliani)、一般的にはジュリアーニのアレグロ練習曲で知られているのではないかと思います。様々な版からBachのギター譜で知られるトイヒャルト氏の教本Ⅱ版で弾いてます。

https://www.youtube.com/watch?v=7tuWR70iDtk

a-moll、つまり短調ながらジュリアーニらしい躍動感が感じられます。アレグロ表記に忠実ならもう少しテンポ速く軽快に弾くのかも知れませんが、ジュリアーニですからゲームのトンネル掘りのごとくズンズン前に進むことを思うと、この程度の速度かもしれません。

練習は、初心者用の練習曲ですから無理のないテンポから始めれば良いと思います。より良い演奏のためには、しっかりと楽器を鳴らすことの方が速弾きよりも優先です。楽譜に記されている全ての音を聴きます。

右手親指でしっかりとメロディを浮き立たせてラインを繋げるのは難しいかも知れませんが、譜面づらは単純ですから楽しんで弾くと良いでしょう。たった1分の練習曲ですから初心者の方は、毎日の練習曲にしても良いかも知れません。

それから、この曲の場合ビブラートはほとんど不必要でしょうね。古典派ですからテンポ・ルバートはタレガなどのロマン派に譲りましょう。

この練習曲の歴史様式は典型的な古典派です。カノーバの彫刻のように均整と枠組みを崩さず、2分音符は2分音符の音価、8分音符は8分音符の音価、2度の上下は滑らかに、3度の跳躍は響きを捉え、4度や5度の跳躍は音の流れを切らないように繋げ、オクターブ跳躍は音楽の流れと和音の変化も含めて繋げるのか切るのかを決めます。

可能なら余分な音を右手親指で消音するとメロディラインが浮き上がります。コーダでロッシーニクレッシェンドが出てきます。ここで追い込むことができるとロッシーニを敬愛したジュリアーニらしい躍動感が生まれます。

運指も含めて生徒さん方の参考になれば幸いです。

 

最後に尊敬する武田邦彦先生の講義を紹介しておきますね。

「それはそれで、その人にとっては、自分が得したり損したり名誉が保たれたりするんですが、科学って言うのはね、人間とは関係ないんですよ、言ってみれば自然現象ですから・・・科学は美しいモンなんですよ。絵画とか音楽とか科学とかいうのは、人間のいやらしさが無いホントに純粋で綺麗なもんなんです。」

これは、以下動画の最後の部分です。

https://www.youtube.com/watch?v=7t7ytYs2UyQ&t=611s

音楽の様式の中では、喜びや悲しみなどの人間味が溢れるのはロマン派でしょう。果てしない欲望とか情愛とか「歪んだ真珠」の魅力を徹頭徹尾追求したのはバロックです。

つまり、バッハは紛れもなくバロックの音楽家だったわけです。対して《人間のいやらしさが無い最も純粋で綺麗なもの》は、ルネサンスでありクラシックですね。

ギターの世界で純粋で綺麗なクラシック時代の音楽家は、先ずはモンセラート修道院で修行したフェルナンド・ソル、それから、まるで日本の幕末のような激動の時代にイタリア人らしく自由奔放に生きた天才マウロ・ジュリアーニ、この2大巨頭でしょうね。

ソルの活躍の場は主にロンドンでありパリでした。ジュリアーニの活躍の場は、我がウィーンでした。

イタリアのギター製作家

完成したばかりのギターに命が吹き込まれるのは、最初の数時間だというのはハウザーさんの言葉でした。もちろん楽器は奏者によって育てられますから、その後の扱いによっても鳴り方に大きな影響が現れることはあまり知られてないように感じてます。

それから、ギターの調弦は弦によって合わないときもありますが、調弦が狂ったまま弾き続けると響きのバランスがが狂ってしまうので注意が必要です。

最近はナイロンやカーボン形成時のゲージに狂いの少ない技術も開発されているようですから、技術の日進月歩に沿って常に弦の吟味も必要だと感じてます。

弦の選択は、ゲージつまり音程の均一性と音質との兼ね合いがポイントだろうと常に感じてます。

さて本題です。最近は演奏家としてのギタリストも楽器も百花繚乱の時代に入ったようです。以下YouTubeの演奏は一流の演奏家に成長してきたシュテファニー・ジョーンズさん。

https://www.youtube.com/watch?v=4dYMI6M8EXo

余談で失礼しますが、ヨーロッパのギタリストと日本のギター弾きとの大きな違いは、ミスと言うか交通事故の有無でしょうね。ミスは少ないに越したことはありませんが、ノーミスが良い演奏だとは限らないと思ってます。

今の日本ではこれだけの演奏家は育てられないような気がします。学校教育だけでなくテレビからの影響が良くないです。大勢によって形成される聴衆と言うか、大勢によって作られる流れでしょうね。これに逆らうのはきっと無理なのでしょうね。

世界史の中で繰り返されてきた民族と国々の興亡が日本にも押し寄せてきているのを強く感じてます。残念です。

歴史を学びましょう!

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