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カテゴリー「クラシックギター」の検索結果は以下のとおりです。

クラシックギターの弦高

クラシックギターの弦高は一般的には6弦が3.8mm1弦が2.8mmとか言われたりするようです。実際には様々な条件により変わるので、いつも同じ弦高ではなく、様子を見て弦高の調整をすることになります。

手っ取り早いのは2~3種類の異なる高さの駒を用意しておき、弦の張替え時に駒を取り替える方法です。

弦高の測定は専用の定規を使い、12フレットのピークから弦までの空間を測ります。

余談ですが、ハウザーさんの工房でアンヘル・ロメロさんのアラフェス協奏曲のための楽器を弾いたときがありましたが、弦高6mmぐらいで楽器も重かったのを覚えてます。当時はアランフェスといえばアンヘル氏と言われたほどで年間数百回もアランフェス協奏曲を弾いていました。

他方セゴビア用の楽器は、指板幅が広すぎて指が広がらなかったり、⑥弦高も2mmぐらいですから、今ならなんとかなるかも知れませんが、当時は音が潰れるか全く鳴らすことができなかったりで悪戦でした。それを見ていたハウザーさんが「この楽器はセゴビアにしか弾けない」と話してました。

なお、一番オーソドックスな楽器はブリーム用だったのを覚えてます。弦長が少し短い楽器でした。

そのときにハウザーさんは「弦高は低ければ低いほど良いが、弾く(鳴らす)ことができるかが問題だ」と話してました。この弦高と楽器の鳴り方の相関関係は、今となっては当たり前のこととして理解してますが、当時は全くわかず、大きなクエスチョンマークが脳裏に刻まれました。

最近はスマホ用アプリに様々なオシロスコープがありますから、自分の耳に自信が無ければ、波形を確認しても良いかも知れません。

以下はYouTube(Classical Guitar Corner)動画から

弦番号 普通 高め 低め
3.0mm 3.2mm 2.8mm
3.4mm 3.5mm 3.2mm
3.5mm 3.6mm 3.4mm
3.7mm 3.8mm 3.5mm
3.9mm 4.0mm 3.6mm
4.0mm 4.2mm 3.7mm

ギターは調弦時の音高で弦の振動が変わります。振幅や発音アタック、倍音の鳴り方も調弦時の音高の影響を受けて変化します。

調律ピッチ(音高)は、1791年没のモーツアルトが422Hz、1885年にウィーンで決められたのが435Hz、1939年にロンドンで決められたのが440Hz、日本では20世紀後半からは442Hzで調律されるピアノが多いようです。それから現在のウィーンはもう少し高い444Hzとか、ウィーンフィル終演時には446Hzぐらいまで上がっているとか言われてます。

引き上げ後に何人かのピアノ調律師さんに確認したところ、今は440Hzではなく442HZで調律するのが一般的なんだそうです。ですから、他の楽器とのアンサブルを考えると、ギターも今の日本なら442Hzのピッチで調弦することになります。

つまり日本でのギターの弦高は、442Hzの調弦で鳴るように決めるのが安全だと言うことになります。

最近のサバレス弦

張りたてのハナバッハ黒は無敵だろうと感じてます。半世紀ぐらい前から品質に変化が無いのも安心です。

でも、最近のサバレス弦と比較すると、ハナバッハ黒は張り替えて5日後くらいには低音弦(巻き弦)の倍音が痩せてきて、張りたて時に低音弦が少しキンキンと響いたサバレスの低音弦の方が華やかに響くように感じてます。

サバレス弦は色々な種類が販売されてますが、低音弦なら倍音も含めて安定した振動と耐久性でCANTIGA PREMIUMの一択。ハナバッハ弦に弾き慣れていると、サバレス低音弦の甲高い響きが気になるかも知れませんが、右手親指の弦からの指離れである程度対応できます。

サバレス低音弦は張力の違いによりNORMALEFORTEの2種類が販売されているようです。弱い張りで上手に鳴らすことができればそれに越したことは無いと思いますが、ちょっと気を緩めるとボヨォ~ンと腑抜けた音が出るので、ボクのように注意力散漫な人には張りが強い方が安心できるかも知れません。

サバレス弦は高音弦のバリエーションも豊富で、①②③弦はナイロンとカーボンの組み合わせ方により3種類販売されてます。

サバレスの高音ナイロン弦は音色が素晴らしく艷やかながら、ボクには弱くボヨボヨするときがあります。また、ナイロン弦はフレットと右爪の両方で傷が付くので音程と音色に影響します。

もちろん弦を指で撫でて撥弦する分には気にならないでしょう。弦を撫でての撥弦は日本人独特の演奏です。ヨーロッパでは器用に指が動くので最初は聴いてもらえますが、そのうち相手ににされなくなる理由です。

カーボン高音弦は音がカチッと決まるのですが、音色に艶が少なくビブラートの音高幅が狭い、しかし傷に強く長期間の使用でも音の劣化が気になりにくいです。

値段は今のところサウンドハウスさんが安いようです。もちろん楽天やアマゾン等でも扱ってますね。

◇ サバレス / Evolution Cantiga PREMIUM/ -Normal tension-[510ERP]
低音弦:CANTIGA PREMIUM (TENSION NORMALE)
1弦:NEW CRISTAL (TENSION NORMALE)
2&3弦:ALLIANCE(カーボン、TENSION NORMALE)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/329480/


◇ サバレス / CREATION Cantiga -Mixed tension- [510MRJ]
低音弦:CANTIGA PREMIUM (TENSION FORTE)
1&2弦:NEW CRISTAL (TENSION NORMALE)
3弦:ALLIANCE(カーボン、TENSION NORMALE)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/233681/


◆ サバレス / ALLIANCE/CANTIGA PREMIUM -Normal tension- [510ARP]
低音弦:CANTIGA PREMIUM (TENSION NORMALE)
高音弦:ALLIANCE(カーボン、TENSION NORMALE
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/259412/


◆ サバレス / ALLIANCE/CANTIGA PREMIUM -Mixed tension- [510ARJP]
低音弦:CANTIGA PREMIUM (TENSION FORTE)
高音弦:ALLIANCE(カーボン、TENSION NORMALE
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/259413/


◆ サバレス / ALLIANCE/CANTIGA PREMIUM -High tension- [510AJP]
低音弦:CANTIGA PREMIUM (TENSION FORTE)
高音弦:ALLIANCE(カーボン、TENSION FORTE
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/259411/

裏板と側面板のローズウッド

ギターの側面板と裏板には一般にローズウッドと呼ばれる木材が使われることが多いです。最近はワシントン条約の関係から白い色をした板も使われることもあるようですが、ずっしりとした響きが乏しいように感じてます。

ギターに使われるローズウッドは、ドイツ語圏では「パリサンダー」と呼び、絶滅した南米リオ産パリサンダーは暗い色合いのものもあり、重量もそれなりに重くなるようです。ハウザーさんの話では、リオ産の入手ができないときはインド産パリサンダーも使われることがあるとのことでした。

工房ストックで一番色の黒い板を使っての制作を依頼したところ、黒い色の板を使うと楽器の重量が増すけど、それでも良いのか?また、横板と裏板の材質は、彼の考える音には無関係で「段ボール」でも構わないとも話してました。

凡人のボクには理解を超えた話でした。

さて、ローズウッドとか紫檀についてググってみました。

参照ページ:
ローズウッドについて(世界のローズウッドの一覧表)

 

◆ 紫檀(ダルベルギア・コチンキネンシス)
【別名】シアム・ローズ、サイアミ・ローズ
【産地】タイ・ビルマ・ラオス・ベトナム・カンボジア・マレー半島

◆ 縞紫檀(しましたん/ダルベルギア・オリペリ)
【別名】手違い紫檀、チンチャン
【英名】ビルマ・ビルメス、チューリップ・ツリー
【中国名】白紫檀
【産地】タイ・ビルマ・ラオス・ベトナム・カンボジア・マレー半島
   産地によりベトナム・ローズ、ラオス・ローズ等と呼ぶこともある

◆ インド・ローズウッド(ダルベルギア・ラテフォーリア)
  インドネシア・ローズ(ソノケリン)
【別名】イースト・インディアンローズ、ボンベイ・ローズ、デガン・ローズ、カシミール・ローズ
【中国名】印度丸葉紫檀
【産地】インド・パキスタン・バングラディッシュ

◆ インド・チッソ―(ダルベルギア・チッソ―)
【英名】シーシャム・ローズ
【中国名】印度黄檀、茶檀
【産地】インド北部、ネパール、パキスタン、バングラディッシュ

◆ マダガスカル・ローズ(ダルベルギア・バロニー)
【英名】ロイヤル・パリサンダー、ボアナ・パリサンダー
【仏名】ロワイヤル・パリサンドル
【産地】マダガスカル





爪が割れたとき

  1. 小さなひび割れなら、百均でも扱っている2種類の液を混ぜて使うエポキシ系接着剤で貼り付ければ、しなやかさがあるので割れにくい。瞬間接着剤は硬いから割れる。
  2. 大きなひび割れなら、ティッシュペーパーを瞬間接着剤で貼り付ける。百均でも入手可能。
  3. 爪が割れて跳んでしまったら、爪の表面ではなく裏側、つまり皮膚と爪の隙間にピンポン玉を形に合わせて切って、残った爪とピンポン素材の間に隙間ができないように瞬間接着剤でピッタリと貼り付けてから整形する。⇒ 【卓球】プラスチックボールおすすめ11選 素材の違い

https://youtu.be/g6VtKNWSC6s?si=AgID_9hkOLyTk9QM&t=142

ギターのポジションマーク

ギター製作家の佐藤剛さんにお願いして練習用の楽器に白蝶貝ポジションマークを埋め込んでいただきました。お薦めです。

ハウザーについては「改造すると工芸品としての価値が落ちてしまう」とのことで、剥がすことが可能なマークを貼り付けることにしました。

浜松のギター制作家の佐藤剛さんを知るまでは、制作家にお願いしてポジションマークを入れてもらうという発想が無かったので、自分なりに試行錯誤してポジションマークを貼り付けてましたが、ギター弦について調べたときに、たまたま見つけたサイトに塩梅の良さそうなポジションマーク説明があり、使ってみたところ、色、マークの大きさ、耐久性など総合的にこれまでで一番良かったので記録として投稿しておきます。

⇒ 剥がれにくいポジションマークを求めてロゼットのフレットマーカー(Rosette Premium Fret Marker Dots)を試してみた

このブログにはその他のギター関連の有用情報があり、参考になりました。ありがとうございます。

ギターの糸巻き(ペグ)

ギターの糸巻きは、最近はペグと呼ばれるようです。

中華製や台湾製の安価なものは千円ぐらいからありますが、使ってみたところ、見た目は派手でも歯車が小さく、歯車のかみ合わせに車のハンドル並みに遊びがあって音合わせの精度が悪く、さらに楽器の響きにジャリジャリと濁った雑音が混じるのが気になりました。

日本製GITOHの糸巻きは値段により様々ですが、1万円程度の安価な製品でも音合わせにあまり苦労しないように感じてます。GOTOH製品には制度の高いラインアップもあり、ピッチの微妙な調整が楽で音にも悪い影響が少ない製品を選ぶことができます。定番製品ですが、まぁ、お値段相応でしょうね。

※画像を新しいタブで開くと拡大図です。

高級な糸巻きで良く知られているのはロジャース製で、ハンドル部分に白蝶貝が使われておりキラキラと光ります。歯車の遊び無くなめらかに回転し、何よりもしっかりと共振するので音が良いです。最高級のハウザースタイルなどは20万円ぐらいの値段になったりします。精度を求める手作りですから安いロジャースでも値段が10万円程度以上と高価です。

なお糸巻きの軸間は通常35mm、ローラーの太さは10mmです。これら糸巻きの数値は、メーカーにより異なったりするので、取り替え時にはビス間の距離も含め確認してから購入します。糸巻きの故障は全部が一斉に壊れるのではなく、樹脂製のローラだけが割れたり、歯車だけが摩耗したりですから、高価な糸巻きの故障時には、部品販売を確認すると良いでしょう。

それから、組立時に糸巻き基盤プレートとギターヘッド木部の接点に隙間があると、雑音が混じったり響きが悪なったりするので、注意してピッタリと接地させるように組みます。

糸巻きのギア部分の潤滑剤は液状のものを避け、グリスなど固形油脂を使います。弦交換のときに確認して、乾燥しているようなら爪楊枝を使ってグリスを足しておけば良いです。その時に、はみ出たグリスはティッシュペーパーで拭き取っておきます。グリスは個人的には「seiko シリコングリス」を半世紀ぐらい使ってます。自分の数台のギター以外に生徒さんの糸巻きにも使い続けてまだ無くなりませんから、一個で一生ずっと使えます。 

もしもローラーがギターヘッドに空けられている穴の内側との接触でギシギシ雑音を発するときは蝋を使ってみると動きがスムーズになります。糸巻きローラーの直径が1センチぐらいですから、直径1センチ強ぐらいの蝋燭が使いやすいです。

タレガ「前奏曲5番」

タレガ「前奏曲5番」の楽譜です:
https://imslp.org/wiki/Prelude_No.5_(T%C3%A1rrega%2C_Francisco)

タレガは典型的なロマン派です。小品ながら美しいプレリュードを多く残しており、その5番目の曲がこの曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=-aBkSvyBdg4

この曲は難しくないので多くの奏者が弾いてます。YouTubeで検索すると猫も杓子もという感じです。残念ながら日本人は全滅。その中でもセゴビアを凌ぐ録音はたぶん無いと思われます。⇒ セゴビアの録音mp3

それにしても巨匠セゴビアは自由ですね。オリジナルの楽譜からのリズム変更が少し気になります。そういう意味ではタレガのセゴビア編曲版です。

ワルカーさんの録音があれば、香り高いロマン派様式できっちりと弾いているのですが、残念ながら見つかりません。物覚えの悪いボクの記憶に残るのみです。

そう言えば、いつだったかオーストリア国営放送の番組で教育者としてのワルカーさんがテーマになったことがありました。日本流に言えば人間国宝に当たる彼女自身が参加し、様々な分野の専門家が集まり円卓を囲んでの意見交換です。テレビで難しいことを延々と論じているのを見ても、自分の師匠が演奏家だと思っていた弟子からすると、面倒なことはどうでも良いと感じたものでした。

誰が言ったのか失念しましたが、「演奏は自分に誠実であること、教育は夢を授けること」とは言い得て妙です。先生は生徒に与える曲を弾くことができなければダメですね。

 

それから、曲は違いますがYouTubeでタレガの自演を聴くことができます。

https://www.youtube.com/watch?v=7B40vZOyoPs

動画中トレモロ奏法の美しい指の動きも確認できます。1899年のものですから無声映画と円筒式蓄音機です。つまり音と絵は別々の記録です。もちろん A=440hz の国際基準が決められる半世紀以上も前です。第一次世界大戦前のフランスとスペインで最も一般的だった音高が A=435hz、440hz からすると半音低いわけです。

誰でも知っていることながら、タレガの楽器がトーレスだったことは、ここで再確認しておきますね。作曲家&演奏家&教育者タレガと楽器制作家トーレスの登場が近代ギターの黎明です。

ギターのコマとサドル

ギター本体だけでなく、コマとサドル、そして糸巻きで音が変わります。

昔は上駒下駒などと呼んだりしましたが、最近は糸巻き側の弦枕をサドル、表面版側の弦受けをコマと呼ぶそうです。 調整は数100分の1ミリ程度の精度が求められます。

コマとサドルは材質と形状、弦高が大きく響きに影響します。安価なものなら合成樹脂、よく使われるのは牛骨で、漂白されてない物やオイル漬けの製品の方が弦の滑りが良いそうです。高価な象牙(マンモス牙)が入手できれば、より良い音が期待でき、どっしりとした音が出るように感じます。

金属ナットはキンキンと甲高い響きになるようですが、反面しっかりとした感触がありそうです。ときには黒檀など木製も使われますが強度は大丈夫なのでしょうか。

象牙類以外のコマやサドルは安価なので、自分で削ってみるのも良いかも知れません。

コマの調整は数十回もすれば様子がわかってきます。合成樹脂のコマは驚くほど安いので、数十万円以上の楽器でなければ、自力で調整を試してみると楽器の理解に繋がると思います。

 なお、コマの高さを出すときに3弦だけピークを弦止め側にすることについては、以下を参照。音合わせが少し楽になります ⇒ https://naka-ku.com/index.php/view/16

サドル溝の調整は、太さの異なる極細の棒状ヤスリを使います。弦高は12フレットで測ります。1弦側を6弦側よりも1mm弱ぐらい低くすると良いようです。通常は6弦が3.5mmの弦高らしいです。

ハウザーさんは「弦高は低ければ低いほど良いが演奏技術が無いと音が潰れる」と話してました。

ギター表面版の材質

ギターの表面版に使われるのはシダーかスプルースのどちらかです。便宜上シダーを杉、それに対してスプルースを松と呼ぶこともあります。

安価な楽器は全てシダーですが必ずしも音が悪いというわけではありません。シダーはスプルースよりも成長が早いので木材価格が安いだけです。鳴りが悪いのは制作コストを抑えている楽器が多いためでしょう。スプルースは最低価格帯のギターには見られないようです。鳴りの良いギターはどちらの材質でも制作可能で、良いものは良いです。


◆ Ceder/シダー

「シダー」というと「スギ」と訳されがちですが、ギターでよく使用されるのは「ウエスタンレッドシダー/western red cedar」でヒノキ科ネズコ属(クロベ属)の樹木をさします。

しかし、ヒノキ科にはその他に「スギ属」や「ヒノキ属」などもあり、これらも「シダー」と呼ばれますが、ギターに使われるのは「ネズコ属」です。日本のスギはスギ科スギ属で Japanese Cedar と呼ばれることから、Cedar=杉と混同され勝ちです。

多くのギターは表面版にシダーが使われます。スプルースの反応が遅いわけではありませんが、どちらかと言えば柔らかめの木材が撥弦反応の良さに影響しているように感じます。高性能LED懐中電灯で100m先をスポットで照らすような音質がスプルース、同じ高性能LED懐中電灯でも遠くを照射するのではなく広い範囲を照らすのがシダーというイメージです。

しっかりと作られてないシダー楽器が空虚なポコポコとした響きになったら寿命なのかも知れません。シダーの楽器を選ぶときは、作りのしっかりとした楽器の方が個人的にはお薦めです。

【科】 ヒノキ
【属】 ネズコ
【種類】 針葉樹
【別名】 ウエスタンレッドシダー
【産地】 ロッキー山脈北部、太平洋岸北西部
【気乾比重】 0.38
【強度】 2

 

◆ スプルース/Spruce

スプルースは北米からヨーロッパ、日本にも分布しています。色はシダーに比べて白っぽい見た目が特徴で、木目も淡い印象のものが多く見られます。ピアノの響板、バイオリンなどなど、ギター以外の楽器にも多く使用されてます。

スプルースには産地によって様々な名称が付けられます。

ギターでSpruceと言えば、ほとんどが北米、特にアラスカから南カリフォルニアに分布する「シトカ・スプルース」でしょう。この呼び名はアラスカのシトカ市に由来します。

スプルースは、シトカ・スプルースの他に少し軟質な北西アメリカ産の「イングルマン・スプルース」、それから、アメリカ北東部に分布し、戦前のアメリカ製ギターに使用されていたアディロンダック・スプルース(パワフルでクリアなサウンド傾向)など、ギターで使用されるスプルースは多岐にわたります。

スプルースは松と言われるだけあって、シダーのように真っ直ぐな木目の物ばかりではないようです。シダーよりも松脂が多く含まれ、木材の粘りと重さから鳴り難かったり、音の立ち上がりがシダーのように軽快では無いときもあります。

しっかりとしたタッチで鳴らさないと楽器からの音離れが悪いので、低温から高音までのバランスを自分でコントロールできないとスプルースの良さが発揮できないようです。つまり、制御されたタッチが身についているか、そうでなければ、楽器に教えられて身につけることになるのだろうと感じてます。

シダーが最初から軽快に響くのに比べて、スプルースの新作は音がこもるときが多いので、音を自分で作ってゆく必要があると感じてます。しかし良い楽器は最初から高音の音離れが良いことから購入時の判断基準になります。低音は時間とともに鳴り方が軽くなり楽器からの音離れも良くなる傾向が強いです。

【科】 マツ
【属】 トウヒ
【種類】 常緑針葉樹
【別名】 トウヒ
【産地】 北米、ヨーロッパ、日本
【気乾比重】 0.35~0.4
【強度】 3

TAKAMINEギター

高峰ギターは1959年に岐阜県坂下町でアコースティック楽器の工房を開いたことに始まり、50年代から60年代中盤にはブームに乗ってクラシックギターも多く製作していました。

木工業の盛んな坂下町での製作は順調でしたが、当時は委託生産が多く、1970年代半ばにようやく自社ブランドの「Takamine」を確立し、高峰ギターが海外向けに本格的に輸出されることになりました。海外、特にブラジルでのタカミネ人気の始まりです。

その後はアコースティックギターやピックアップギターの老舗として順調に成長し、世界的に人気が高まり、現在に至っています。

タカミネブランドの初期に設計されたクラシックギターのシリーズは、No.20、No.30(1981)、No.40(1983)、No.5、No.6、No.8、その他に注文生産で10号、15号、20号がありました。

安価なNo.30でもタカミネブランドのギターにふさわしい材料と丁寧な仕上がりで、初級から中級者向けのギターとして人気があります。

また、タカミネは河野賢氏の低価格ブランドとして販売されたアランフェスギターの製作を担当したことから、河野ギターとの類似性が多く見受けられます。   

材質はNo.20、30、40、6が表面版にシダー、No.8がスプルース、注文生産の10号、15号、20号は杉か松の選択。指板はNo.5、6、8が黒檀ですが、No.5でネックにトラストロッドが入っているものは紫檀、そして全シリーズ共通で、横と裏板、下駒がにローズウッド、ネックにマホガニーが使用され、他社と比べて良い材料が使われてます。

河野ギター同様にガッチリとした作りで、海外の乾燥した気候でも安心です。その分、初心者には鳴らすのが難しく感じたり、楽器を育てる必要もあります。高音と低音がバランスよく響き、同じ値段の他の邦人作家と比べて音離れの良さがずば抜けてます。

残念ながらクラシックギターの生産は2010年頃が最後で現在は中古販売のみです。

1980年代のカタログは以下。窓's10or11+FireFox環境の場合は、画像上で右クリックから「画像を新しいタブで開く」で拡大画像が見られます。

生産終了の頃のカタログは以下。窓's10or11+FireFox環境の場合は、画像上で右クリックから「画像を新しいタブで開く」で拡大画像が見られます。

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