Wiener Lieder/ウィナーリート/ウィーン歌謡の定番です。
作家は音大ではなくウィーン大学出身の役人でした。
1914年の曲ですから第一次世界大戦勃発の年です。ウィーンでは誰も敗戦を想像してませんでした。フランツ・ヨーゼフ皇帝の元で大いにウィーンが繁栄していたときです。
帝政末期の世紀末ですから、今から振り返るとウィーンの一番良いときかもしれませんね。
因みに「世紀末/Hundertjahreswende/フンデルト・ヤーレス・ウェンデ」という言葉は、正確に訳すと19世紀末から20世紀初頭にかけての「世紀過渡期」の意です。
簡単そうに聞こえますが、綺麗に歌っても始末に負えないという曲です。ウィンナーワルツ同様に、ウィーンの薫り高く演奏するのは、想像を絶するほど難しいです。「ウィーン、夢と現実」とは良く言ったもので、夢と現実の狭間に芸術が生まれるのがウィーンなのでしょう。ブンダーリッヒやハンス・モーザー、その仲間もお薦めです。
1. Mein Herz und mein Sinn
Schwärmt stets nur für Wien,
Für Wien, wie es weint, wie es lacht!
Da kenn ich mich aus,
Da bin i halt z'Haus,
Bei Tag und noch mehr bei der Nacht.
Und keiner bleibt kalt
Ob jung oder alt,
Der Wien, wie es wirklich ist, kennt
Müßt' ich einmal fort
Von dem schönen Ort,
Da nähm' meine Sehnsucht kein End.
Dann hört' ich aus weiter Ferne ein Lied,
Das klingt und singt, das lockt und zieht:
(Refrain:)
Wien, Wien, nur du allein
Sollst stets die Stadt meiner Träume sein!
Dort, wo die alten Häuser stehn,
Dort, wo die lieblichen Mädchen gehn!
Wien, Wien, nur du allein
Sollst stets die Stadt meiner Träume sein!
Dort, wo ich glücklich und selig bin,
Ist Wien, ist Wien, mein Wien!
2. Bei jeder Gaudi
Na, Sie wissen's eh
Bin ich allemal gleich dabei.
Ich b'halt mein Hamur
Bis spät in der Fruah
Mir ist alles dann allerlei.
Und wenn ich beim Wein
Dann sitze zu zwein
Und sehnend ein Arm mich umschlingt,
Wenn heimlich und leis'
Der Heimat zum Preis
Ein straußischer Walzer erklingt:
Dann hört' ich aus weiter Ferne ein Lied,
Das klingt und singt, das lockt und zieht:
(Refrain)
3. Ob ich will oder net
Nur hoff' ich recht spät
Muß ich einmal fort von der Welt.
Geschieden muß sein
Von Liebe und Wein,
Weil alles, wie's kommt auch vergeht.
Ah, das wird ganz schön
Ich brauch' ja nicht z'gehn,
Ich flieg' doch in' Himmel hinauf,
Dort setz' ich mich hin
Schau runter auf Wien,
Der Steffel, der grüßt ja herauf.
Dann hört' ich aus weiter Ferne ein Lied,
Das klingt und singt, das lockt und zieht:
(Refrain)
4. In Sturm und in Not
Von Feinden umdroht,
Steht Österreich aufrecht und hehr.
Von Helden umweht
Mit funkelndem Schwert
In eiserner, schirmender Wehr!
Wo Lied und Gesang
Im Frieden erklang
Ertönt jetzt Trompetensignal!
Aus sanftem Gemüt
Erstarkt und erblüht
Ein Heldengeschlecht ohne Zahl!
Und wenn dann im Feld der Schlummer euch flieht,
Ertöne leis von ferne das Lied:
(Refrain)
自分に文才があるわけでもないのですが、
気に入った日本語訳がなかなか見つかりません。
「ウィーン わが夢の街 」
Wien、du Stadt meiner Träume
作詞 : ルドルフ・ジーツィンスキー
日本語歌詞 : あらかは ひろし
喜びも悲しみも みんなこのまちに
夜でも昼でも 心のなぐさめ
誰にでも愛される わたしのふるさと
わたしの心は いつもこのまちに
遥かきこえてくる楽しい歌声
ウィーン ウィーン
お前は心のふるさとよ
古びたまちかど かわいい娘たち
ウィーン ウィーン
お前はわたしの夢のまち
幸せあふれる夢のまちウィーン
喜びは果てもなく 酒と女と歌
ほのぼのと朝日が 空を染めるまで
静かにふたりで愛を語るとき
いつの日かこの世に別れるその日
晴れわたる大空に この身は漂い
遥かに見おろすシュテファン寺院の
尖塔に永遠の別れを告げよう
遥かきこえてくる楽しい歌声
ウィーン ウィーン
お前は心のふるさとよ
古びたまちかど かわいい娘たち
ウィーン ウィーン
お前はわたしの夢のまち
幸せあふれる夢のまちウィーン
ワルツの調べに心ははずむ
遥かきこえてくる楽しい歌声
ウィーン ウィーン
お前は心のふるさとよ
古びたまちかど かわいい娘たち
ウィーン ウィーン
お前はわたしの夢のまち
幸せあふれる夢のまちウィーン
意訳 : 山田 誠
私の心も魂も ウィーンに
降っても 晴れても 心は いつもウィーンに
だって ここは わたしの庭
昼だけじゃない、夜のウィーンも格別
だって そこは くつろげる わが家
本当のウィーンを知る人なら、
お年寄りも 若い衆も みんな温かくて
意地悪なやつなんか 一人もいないんだよ
もし いつか この美しいウィーンの街を
離れなければならなくなったとしても
きっと わたしの心だけは いつまでも
ずーっと ここにとどまっているんじゃないかなあ
そして そのとき はるか遠くから
きっと聞こえてくる ひとつの歌が、
わたしの心に 間違いなく聴こえてくる
ウィーンだ、ウィーンだけだ
そこは わが夢の街
懐かしい昔のままの家々が立ち並び
愛らしい少女たちが挨拶を交わすところ
ウィーンだ、ウィーンだけだよ
ここだけが わが夢の街
わたしが わたしらしく、幸せに満たされるところ
それこそがウィーンだ、
ウィーン、わたしのウィーン・・・
しかし 否が応でも
いつかは その時が やってきてしまうのだろうな、
- なるべく遅けりゃ いいんだけど、
それは わたしが この世を去らねばならぬ時のこと
もうお別れだ、素敵な恋心とも 美味しいお酒とも
もの皆すべて 生まれる時があれば、朽ちる時もある
ああ、でも それもまた良いかも
だって もう歩かなくていいんだもん
その時には うんと空高く 舞い上がるんだよ
天に座して、
そこから 大好きなウィーンの街を見おろしたら、
聖シュテファン教会が わたしを見上げて 挨拶してくれるかも
そして そのとき はるか遠くから
きっと聞こえてくる ひとつの歌が、
わたしの心に 間違いなく聴こえてくる
ウィーンだ、ウィーンだけだ
そこは わが夢の街
懐かしい昔のままの家々が立ち並び
愛らしい少女たちが挨拶を交わすところ
ウィーンだ、ウィーンだけだよ
ここだけが わが夢の街
わたしが わたしらしく、幸せに満たされるところ
それこそがウィーンだ、
ウィーン、わたしのウィーン・・・