車中のギター放置
- 2023/07/25 19:22
- カテゴリー:クラシックギター
ギター制作の接着剤には湯煎で溶かしたニカワが使われることが知られてます。
しかし、安価な量産ギターは扱いが楽なシロボンドと言われる木工用ボンドなどが使われてます。これは、熱可逆性の木工ボンドと異なり熱硬化性の接着剤です。加熱しても剥がれません。
つまり、楽器に熱可逆性のホットメルトのボンドやニカワが使われるのは、再加熱での修理を可能にするためです。
ニカワは摂氏50度ぐらいを5分間程度維持すると、徐々に溶解が始まり、60度くらいから接着力が低下するようです。
さて、最近は車社会になり、近所への買い物も車が使われてます。
快晴時に車のボンネットで目玉焼きが焼けるのはよく知られた話ですが、卵の硬化温度は摂氏60度ぐらいからだそうです。
要するに、ギターを炎天下の車中に5分程度放置すると、分解の危険が生まれるという話でした。経験者の話によると全てのパーツがキレイにバラバラになるそうです。
カーエアコンが効いていれば話が別ですが、炎天下の車中にギターを放置するのは避けましょう。注)エアコンでの乾燥にも注意!
それからギターの乾燥対策には様々な加湿器具があります。ギターは同じ弦楽器でもバイオリン属と異なり、表面版に膨らみの湾曲がないので、表面板が乾燥し収縮すると直ぐに割れてしまいます。表面版の共振性能が失われ、演奏音域により雑音が入ったりします。そのため、エアコンを点けている部屋には加湿器と湿度計があると安心です。
それでは、みなさま良い夏をお過ごしくださいませ。