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楽器の違い

セゴビアのレッスンでお弟子さんから「セゴビア先生のギターは名器だから音が違う」と言われたときに、お弟子さんの楽器をセゴビアが手に取り、弾いたビデオテープがあります。

つまりセゴビアは、楽器以前に鳴らし方や弾き方が大切なことを示したわけで、楽器の鳴らし方を知らない人の弱音と、制御された繊細な弱音の間には大きな差があることを思い知らされた録画でした。

セゴビアが弾くと、お弟子さんのヘボ楽器が艷やかな響きで見事に音楽を紡ぎ出したわけですが、最近はその動画がYouTubeにあるのではないかと思います。見付けたらアップデートして貼り付けますね。

 

以下の動画は一人で6本のギターを次々と持ち替えての演奏です。響きは同じ指の一人の演奏家の音で統一性があり、その上で楽器による音の違いも確認できて興味深いです。ワルカー、セゴビア、ブリームなどの巨匠とは次元が違うとは言え、素晴らしい名演ですね。

◆ 1) 1964 Manuel de la Chica

マヌエル・デ・ラ・チーカ(1911グラナダ-1988グラナダ)

1930年代後半から製作を開始1970年代初めに体調不良の為引退。他のグラナダの製作家とは異なる楽器を生んだのは、レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサやアメリカに移住する前のセウドニオ・ロメロ等との親交から、サントス・エルナンデス等の名器に触れる機会が有ったことからと考えられる。

◆ 2) 1996 Ignacio Fleta e hijos

イグナシオ・フレタ・エ・イーホス

イグナシオ・フレタⅠ世(1897年スペインのウエスカ生)はハウザー、アグアドと並び称されるバルセロナのギター製作家。13才でバルセロナに上京しフランス人弦楽器工房で修行。当初はチェロ、ヴァイオリン制作家だったが、1950年にセゴビア演奏レコードに感動し、1955年頃から息子のフランシスコ(1925年生)とガブリエル(1929年生)と共にクラシックギター製作を始め、1962年頃からラベルが、それまでの「Ignacio Fleta Barcelona」から「Ignacio Fleta e Hijos」に変わり2人の息子との共作となる。彼らのギターは独自の製作方法で作られ、重厚で輪郭のはっきりとした、芯のある美しい音が知られる。現在は三代目ガブリエルJr.。セゴビアやジョン・ウィリアムス、トリビオ・サントスが弾いたことから一気に世に知られるようになった。演奏者を問わずしっかりとした豪快な鳴りにも関わらず清潔感もある。バルセロナのような海辺で制作された楽器は表面板が割れやすいので湿度管理に留意が必要。

◆ 3) 2014 Roy Fankhänel(ドイツ)

http://fankhaenel-gitarrenbau.de/

◆ 4) 2014 Bernd Holzgruber double top

ベルント・ホルツグルーバー(1939ヴェルデン、オーストリア)

オーストリア Velden am Wörther See のギター製作家。1968年にカール・シャイトのクラスでウィーン国立音大の卒業コンサートを自作ギターで演奏。19世紀ギターから近代ギター、その他の撥弦楽器を研究し多くのレプリカを制作。

◆ 5) 2014 Keijo Korelin double top

http://keijokorelin.com/

◆ 6) 1999 Ignacio Fleta e hijos

イグナシオ・フレタ・エ・イーホス

イグナシオ・フレタ(1897年生)が1955年セゴビアの演奏を聴いて感動し、息子のフランシスコ(1925年生)とガブリエル(1929年生)と共にクラシックギター製作に専念。彼らのギターは独自の製作方法で作られ、重厚で輪郭のはっきりとした、芯のある美しい音を持つ。現在は三代目ガブリエルJr.。

 

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