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2024年08月の記事は以下のとおりです。

クラシックギターの弦高

クラシックギターの弦高は一般的には6弦が3.8mm1弦が2.8mmとか言われたりするようです。実際には様々な条件により変わるので、いつも同じ弦高ではなく、様子を見て弦高の調整をすることになります。

手っ取り早いのは2~3種類の異なる高さの駒を用意しておき、弦の張替え時に駒を取り替える方法です。

弦高の測定は専用の定規を使い、12フレットのピークから弦までの空間を測ります。

余談ですが、ハウザーさんの工房でアンヘル・ロメロさんのアラフェス協奏曲のための楽器を弾いたときがありましたが、弦高6mmぐらいで楽器も重かったのを覚えてます。当時はアランフェスといえばアンヘル氏と言われたほどで年間数百回もアランフェス協奏曲を弾いていました。

他方セゴビア用の楽器は、指板幅が広すぎて指が広がらなかったり、⑥弦高も2mmぐらいですから、今ならなんとかなるかも知れませんが、当時は音が潰れるか全く鳴らすことができなかったりで悪戦でした。それを見ていたハウザーさんが「この楽器はセゴビアにしか弾けない」と話してました。

なお、一番オーソドックスな楽器はブリーム用だったのを覚えてます。弦長が少し短い楽器でした。

そのときにハウザーさんは「弦高は低ければ低いほど良いが、弾く(鳴らす)ことができるかが問題だ」と話してました。この弦高と楽器の鳴り方の相関関係は、今となっては当たり前のこととして理解してますが、当時は全くわかず、大きなクエスチョンマークが脳裏に刻まれました。

最近はスマホ用アプリに様々なオシロスコープがありますから、自分の耳に自信が無ければ、波形を確認しても良いかも知れません。

以下はYouTube(Classical Guitar Corner)動画から

弦番号 普通 高め 低め
3.0mm 3.2mm 2.8mm
3.4mm 3.5mm 3.2mm
3.5mm 3.6mm 3.4mm
3.7mm 3.8mm 3.5mm
3.9mm 4.0mm 3.6mm
4.0mm 4.2mm 3.7mm

ギターは調弦時の音高で弦の振動が変わります。振幅や発音アタック、倍音の鳴り方も調弦時の音高の影響を受けて変化します。

調律ピッチ(音高)は、1791年没のモーツアルトが422Hz、1885年にウィーンで決められたのが435Hz、1939年にロンドンで決められたのが440Hz、日本では20世紀後半からは442Hzで調律されるピアノが多いようです。それから現在のウィーンはもう少し高い444Hzとか、ウィーンフィル終演時には446Hzぐらいまで上がっているとか言われてます。

引き上げ後に何人かのピアノ調律師さんに確認したところ、今は440Hzではなく442HZで調律するのが一般的なんだそうです。ですから、他の楽器とのアンサブルを考えると、ギターも今の日本なら442Hzのピッチで調弦することになります。

つまり日本でのギターの弦高は、442Hzの調弦で鳴るように決めるのが安全だと言うことになります。

フラメンコ「ガロティン」

  • 2024/08/06 09:26
  • カテゴリー:その他

できることから地道に急いでという感じの郷里での終活が過ぎゆきます。

昨年の山内しほさんとのフルート重奏「タンゴの歴史」は大変でした。しほさんにとてもお世話になりました。感謝に耐えません。

とにかく、40年前のウィーン国立音大の演奏家過程ではピアソラはやらなかったし、南米の民謡程度にしか感じてなかったので、自分がタンゴを弾くとは夢にも思ってませんでした。しほさんからのコンタクトがあったときに、20分以上の難局にしっかりと取り組むギタリストがこの界隈では他に居ないのでお受けしました。

その「タンゴの歴史」公演のときに、たまたまチラシを目にした幼馴染が、ボクの名前を見つけて公演に来てくれました。

郷里とは言え47年間、つまり半世紀も離れていたので、友人も知人も居ないと思っていたし、終活だから仕方ないと諦めてました。ですから高校時代の仲間や幼馴染みが覚えていてくれて驚きました。有り難いことです。

そのときに会いに来てくれた仲間が今でもフラメンコギターを続けていると言うので、ギターを持ち寄って一緒に遊んでいるうちに、何か一緒にできないかと模索が始まってます。ジャンルが違うので、なかなか大変です(笑

そんな日々が過ぎ行く中で、小公演を高校時代に親しかった別の仲間が組んでくれて、JAZZフラメンコの彼、それから彼の仲間のフラメンコ踊り子さんと3人での公演実現となりました。

それで「ガロティン」というフラメンコ曲の旋律を弾くことになりました。「こんな曲」と踊り子さんがギターをポロポロ弾いた動画を送ってくださったり、手書きで旋律を送ってくださったりで、ホントに有り難いことです。

こんなに甘やかされて良いものかと痛み入る次第で、至れり尽くせりです。でも、楽典、ソルフェージュ、聴音も和声学も対位法とも無縁なフラメンコの踊り子さんが楽譜を起こしても、拍も音価も間違いだらけです。これは大変だっただろうと想像できます。

しかし、その間違った楽譜で弾くのは不可能です。

 

検索してみるとガロティンは、どうやら歌謡らしいです。でも、踊り子さんが送ってくださったYouTubeのURLを開いても、日本人の公演では全然わからない。それよりも、目を覆わんばかりの品の無さに嫌気が差すほどです。

フラメンコ踊り子さんは、当然ながらフラメンコの踊りが専門です。アルス・ノーヴァのギョーム・ド・マショーとかとは世界が違いすぎます。

でもセゴビアが言っているように「本物のフラメンコは素晴らしい」の通り、フラメンコは素晴らしいハズ・・・です。

セゴビアの言葉の意味するところは、洋の東西を問わず偽物ばかりが横行しているという事実です。類は友を呼ぶの言葉通り、偽物でもなんでも楽しければそれで良いから、自分が楽しんでいる様子を見てオマエも楽しめ! という人達が集まる世界があるわけです。残念ながら数ではその方が多いです。

そんな状況で先週から練習室を借りての合わせ練習が始まりました。昨日は2回目の合わせです・・・当然ながら全然ダメでした(笑;

それで去年のピアソラ同様に、仕方なくゼロからの独学です。やるとなったら本気です。イベリア半島とは?スペインとは?スペインに暮らす民族とは、文化とは???

以下サイトはフラメンコについてわかりやすく説明してくださってます。おすすめです。

フラメンコの曲種とリズム別一覧

 

本物のフラメンコは魅力いっぱいです。偽物じゃないってところが要です。

上記サイト紹介の「ガロティン」演奏
フラメンコの曲種とリズム

「あたしの亭主はあたしのもの
他の誰のものでもない
あたしの亭主が欲しいなら
力ずくで奪ってごらん
できるものならね」

「Mi marío es mí marío
y no es marío de naide
la que quiere a mi marío
Vaya a la guerra y lo gane.」

おーれぇ~♬  笑


因みに、ウィーンのおける文化とか気質は、質実剛健なゲルマン気質、自然とともに生き続けたアルプスの素朴な生き様、ハプスブルク帝国の都として繁栄を極めた街の持つ文化などが上げられると思います。

どうやらイベリア半島では地方によって文化が少しずつ異なるようです。チロル地方で、それぞれの谷により文化が異なるのと似てますね。

ゲルマン民族の移動時代にイベリア半島にラテン系の民族が流入定着し、そこにムーア人と言われるイスラム教徒が侵入し征服したわけですが、数はヨーロッパ人の方が遥かに多かったので、北アフリカやイスラム文化からの影響に差が出た結果だろうと想像してます。興味のある方は金槌のカール(カール・マルテル)を調べると良いでしょう。

 

何事も学びですが、こんなに学んでも、死んだら何も残らない。
誰よりも学んで理解し知っているのにホントもったいない・・・

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